みんなの広場

お客様からのプレゼント

先日、お薬の点検を終えて帰ろうとした時に、80代の奥様から思いがけないプレゼントを頂きました。

それは、お客様が自費出版された「冬の柿」という詩集でした。とても綺麗な装丁の立派な本でした。「詩」という物に触れるのは学生時代の国語の授業以来で、詩の趣きなど自分にはわからないと思っていましたが、

しかし、その1ページを覗いてみた時、今までに感じたことのない味わいを感じました。お客様の昔から今にいたる日常と、その中の感傷、それはほぼ同年代の母と私の人生にも重なって、懐かしく伝わって来ました。

その中の一つをご紹介します!

「毛虫」

花を散らし

生まれたての葉が茂りはじめた

庭の桜の木から

ぽとぽと毛虫が落ちてきた

割り箸で拾い

消毒液の中に入れようとする

 

ダメダメ

と小学一年生の孫

可哀そう 死んじゃうよ

蝶になったり蛾になったりするんだよ

わたしは箸でつまんだ毛虫を

孫の目の前に差し出すと

気持ち悪いと逃げる

気持ち悪くても

可哀そうが先になる孫

 

虫も殺さぬいい女が

変身して変心して 蝶になって羽ばたき

男たちを惑わせる

あそこにも こっちにもある話

 

次の日

庭にも枝が張り出してる歩道にも

毛虫 毛虫

ばあば ここにも あそこにも

早く捕まえて

おお もう変心したか

 

その夜

殺した大量の毛虫がわたしの周りにうごめき

自分の悲鳴で目を覚ました

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